グラスウールは日本の住宅に不向き!その理由と注意事項

新築現場の画像【グラスウール】

現在でも日本中で建築されている住宅の7割以上で使われている住宅用断熱材のグラスウール。

住宅をとにかく低価格(ローコスト)で収めようという場合に使われることが多い事や昔の住宅はグラスウールを使った仕様であらゆる基準が決められております。

しかし、こういった理由からグラスウールに対して異を唱える設計士や住宅業者が少なかったことも確かです。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない!」ではありませんが、それほどグラスウールは日本の住宅では断熱材として使われるのが、当たり前でした。

その結果、高気密・高断熱が走り始めた数十年前に換気や湿度対策をおろそかにしたことで「日本の住宅は30年しかもたない!」と言われるようになりました。

ではなぜ、これまで建築業者で主流となっていた住宅用断熱材グラスウールが、日本の住宅に不向きなのかをお伝えしていきます!

ちなみにグラスウールは住宅用の断熱材であり、断熱に対する性能もありますので、この記事はグラスウールを否定しているものではありませんが、なぜ日本の住宅に向かないのか?その理由と注意事項についてを記事に致します。

グラスウールが向きな理由①:断熱性

グラスウールは、日本の住宅で最も使われている最もメジャーな断熱材であることは記事冒頭でもお伝え致しました。

現在では、省エネルギーな住宅の需要も高まっていることから壁の中に200mm〜300mmのグラスウールを収めて断熱する建築業者も多いでしょう。

では、ここでは『グラスウールに関する断熱の仕組み方法』についてお伝えします!

グラスウールに関する断熱の仕組みや方法について

皆さんは冬になると布団を上から敷いて寝ると思いますが、なぜ布団が暖かく感じるかご存じですか?

布団は羽毛と羽毛などの間に空気が停滞しており、『空気の断熱性能』によって人体から出る熱を逃がさず、留めることによって人が暖かいと感じます。

グラスウールもこの布団の原理と同じで、『空気の断熱性能』を利用して断熱する断熱材であり、グラスウールは『乾燥した空気静止させて断熱』しております。

したがって、断熱性能を向上させるには繊維状に絡み合うグラスウールの密度を高くすることで性能を高くすることができます。

ただし、何よりも注意が必要なのは、グラスウールは施工の仕方によって断熱性能に差が生じてしまうことであり、このグラスウールを施工するのは断熱の知識を持っていない大工さんであったことが何よりの問題です。

北方型住宅の断熱・気密施行実践マニュアルからの抜粋資料

上の画像は実際に北方型住宅の断熱・気密施工マニュアルという公的な資料から抜粋した画像ですが、決まった寸法のグラスウールを施工することがとても困難なのに、(a)の正しい施工状態に比べて、(c)の施工状態の時の性能が(a)の倍以上悪くなっていることが分かります。

これは(c)のように断熱層にて部分的に隙間があると室外側(寒い)と室内側(暖かい)との温度差で空気の対流が発生してしまうことにより、「空気を静止させる」ことが出来なくなるため、断熱性能が低くなってしまうのです。

また、施工の仕方によって性能が異なる断熱材を、大工さんが知識も持たずに施工してきたことで、より住宅に悪影響を与えていたことはご理解頂けると思います。

現在では、国が主催する「住宅省エネルギー技術者講習会」で技術向上のための研修などを行っておりますが、これら技術や知識的な課題は地域の工務店に限ったことではありません。

大手ハウスメーカーであっても、施工を行うのは地元の下請け業者であることを考えると日本で住宅に関連するすべての業者が受講しておくべき講習内容です!

ちなみに私も持っております!(笑)

以上のことからグラスウールは、「空気を静止させて断熱」していることをご理解下さい!

そして次は一番の問題でもある「乾燥した空気を静止させて断熱」の「乾燥」という部分にクローズアップしていきます!

グラスウールが向きな理由②:日本の気候

私達が暮らす日本という国は東西南北に弓なりに長く、夏と冬で地域によって温湿度の高低差もあれば、梅雨などもあったりします。

グラスウールで断熱する上で特に注意が必要なのは、「湿気対策」であり、この湿気対策には、気密をしっかりと行う必要があります。

住宅において断熱・気密はとても重要なので、グラスウールだけに限った話ではありませんが、グラスウールはとても湿気や結露などの水分に弱いです。

吸水性がある訳ではありませんが、一度、濡れたしまった場合はしっかりと乾かさないとカビなどが発生する要因にもなりますし、水分を含み続けたグラスウールはやがて重くなり、壁内をずり落ちてしまいます。

グラスウールがずり落ちた壁面からは熱が逃げやすくなってしまうので、省エネではありませんし、暖房エネルギーや冷房エネルギーの無駄遣いとなってしまいます。

グラスウール吸水試験㈱タスク様よりお借りした画像を加工致しました。

上の画像をご覧頂けると分かりますが、グラスウールは吸水性がないことから水に沈むまで何時間という時間を要しますが、一度、水分を含んでしまうと重さから水の中でも沈んでしまうという訳です。

 ※もちろん画像の比較対象であるウレタンフォームはボード状のため、正しい比  較試験とは言い難いですが、グラスウールは水分を含む!ということをご理解  下さい。

以上のことから時期的に高温多湿となる地域や本来、乾燥気味になるはずの季節であっても室内側の湿度が何らかの理由で高く、外は-○○℃という冷たい空気が流れていると室外側で結露などの可能性もあります。

グラスウールはこれら「施工方法・気密性能・湿気対策」が十分、対策されている条件が揃って始めて使える断熱材だと私は思います!

グラスウールが向きな理由:まとめ

以上、グラスウールが日本の住宅に不向きな理由を①断熱性能②湿気対策に分けてお伝えしてきましたが、忘れていけないのはグラスウールは「乾燥した空気を静止させて断熱させる」ということです!

布団のように繊維状に絡み合ったグラスウール内の空気が停滞することによって、断熱していることから施工の仕方によって、空気が対流してしまうような隙間や空間があると空気が動いてしまい断熱性能が落ちる。

また、空気内に湿気が含まれていると季節によっては、結露などが発生してグラスウールを濡らしてしまった場合、乾燥させるなどの対策が必要になってくることから季節によって温度や湿度が変動する日本には不向きな断熱材であると私は考察致しました!

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コメント

  1. 丹尾慶一 より:

    いやGWで大丈夫でしょう、実験のように24時間同じ環境などあり得ませんから、だとしたら今までの住宅皆腐れてしまっていますよ、高気密、高断熱、計画換気、全館暖房、を前提にすれば安全ですが、ウレタンでも水は吸いますよ、それなら日本で建てられた2×4はみんな腐れていますか、どんな材質の材料でも良い点、悪い点はあります、それをしっかり把握して施工すればよい事です、

    • hawkeye-information-ie より:

      コメントありがとうございます。GWでも問題ありません。丹尾様がおっしゃるように良い点・悪い点を把握して施工すれば良いのですが、その施工が容易ではありません。高気密状態を維持するのが困難だと私は思っております。24時間同じ環境はありませんが、高気密状態と湿気の侵入を防ぐ状態を数十年間、維持しなければいけないことを考えると不向きだと私は思っております。また、この記事でグラスウールの悪い点をご理解頂き、あとはご覧頂いた方がこれから家を建てる時の断熱材選びで参考にしてもらえればと私は思っております。ちなみウレタンは水を吸いますが、種類や施工方法によって水を吸わないウレタンもあります。全てのウレタンが同じではありませんので、ご注意下さい!

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